Ecotour Reports
エコツアーレポート
2022.12.03
手ぶらで林業&薪割り体験 “森林ワーキングホリデー”

NPO法人埼玉ハンノウ大学は、飯能市の全体を大学の「キャンパス」に見立て、飯能に関わるすべての人たちが参加できる「授業」を出会いの場として、課題や志を持った市民・企業・行政のネットワークづくりを行なっている非営利の団体です。今回のエコツアーは、そんなハンノウ大学の学長が木の駅・ものづくり合同会社の皆様を講師に迎えて実施されました。
移動も考えると半日かがりのツアーです。参加者は男女半々の10名。県内・県外からの参加も多かったのですが、みなさん「森林保護の課題が以前から気になっていて飛びつきました」「薪割りを体験してみたくて」「林業体験が出来ると聞いて」など山での体験に関心のある方がほとんどで驚きました。中には「授業で先生がエコツアーを紹介していて参加してみようと思いました」という大学生も。すっかり山のある暮らしに慣れた私ですが、確かに林業や薪割りは教えて頂かないことには敷居の高いものだったことを思い出しました。
集合場所である、下名栗の木の駅・ものづくり合同会社拠点から車で移動すること20分。飯能市が管理する山林へ到着。道路沿いにある傾斜がかった土地には、既に間伐され細かく丸太状にされた杉が、真っ直ぐ伸びる木の間に転がっています。ツアー参加者はヘルメットを被り、1時間半この木の運び出しと不要な枝葉の整理を体験しました。トングと呼ばれる道具を使い、1~2人で丸太を挟んでトラックまで運びます。この短時間の作業でトラック1台分の丸太を運び出すことができました。この丸太は薪になるそうです。たった1時間半の作業ですが、重い丸太を持って山の斜面を下る作業は大変です。今回はまだ下り坂なので作業が楽な方ですが、間伐する場所や条件によっては斜面を上ることもあるそうです。山の管理の苦労を体験することができました。「ログハウスを作りたいね」そんな声も聞こえました。
ランチは下名栗の民家をリノベーションしたレストランで、ゆっくりとガイドの小野さんのナショナルトラスト運動のお話を伺いながらお食事を楽しみました。ナショナルトラストが盛んなイギリスですが、小野さんご家族が住んでおられたコッツウォルズは昔から景色が変わらないところだそうで、古い建物や自然など景色が大きく変わらない飯能はコッツウォルズに似ていると話しておられました。
山の仕事と美味しいお料理ですっかり満たされた一行は「そうか、まだやることがあった」と言いながら、木の駅・ものづくり合同会社へ戻ります。斧での薪割り体験です。2-3人で1組になり、交代しながら丸太を割ります。4つの島が並んで薪割りをしている様は、さながらバッティングセンターのよう。パカーン!と小気味良い音を立てて薪が割れると、「おお」と歓声が上がりました。「そろそろ切り上げましょう」と言われつつも、薪割りが止められないチームも。まだまだ山仕事をやり足りないところで、ツアーは終わりになりました。
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