Ecotour Reports
エコツアーレポート
2021.10.08
西川材の森の中で五感を使って感じる野外劇場

西川バウム合同会社の代表浅見さんは、西川材の新たな魅力と価値観を人々に伝えたいと言う。
国内の材木消費が減り、西川材(飯能周辺の杉や檜木材の総称)の全体消費は減っている。
材木の消費が減れば、切り出される木の量は減り、里山の循環サイクルは停滞し、結果として山が衰える。
産業として木の需要を増やしていくことは、山やそこに住む生態系を守ることにつながる。
けれども、今の人々には“国内産の木は高級”というイメージが強く、犬猿されることが多い。
確かに日本各地の神社仏閣のために選ばれるほど西川材の質は高いが、私たちが家具として活用するには十分な質と価格の材木もあるのだ。
山を守り続けてきた人々の知恵と西川材の魅力。
浅見さんは直接見て・聞いて・香って・触れて・作って・使ってとあらゆる感覚を通じて伝え続けている。
今回、巨木が囲む森の広場に、西川材の柱をならべ舞台と客席が作られた。
土と湿度の香りの中で始まった物語。
さいたま市を拠点に活動するNPO法人劇団サードクウォーターの方々による「セロ弾きのゴーシュ」、静かな森でこそ観るに相応しい演目だった。