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エコツアーレポート

2022.12.07

自然観察ハイキング歴史探訪

名栗の秋を満喫 ~季節を感じる一日~

今回のツアーは鳥居観音や周辺の建立物を巡りながら、道中の草木を嗜むもの。
地元名栗の塩野さんが建立物を、そして生物分類学会員の小澤さんが道中の植物について案内して下さいました。

ツアーの出発地点である本堂には、鳥居観音の開祖である平沼彌太郎氏が仏像彫刻家桐江として自ら彫った多数の菩薩像が安置されています。

たった1人が彫り上げたとは思えないほどの数と大きさの菩薩像ですが、彌太郎氏がそもそも林業経営・埼玉銀行頭取・参議院議員など活動が多岐にわたる中で彫り上げたというから驚きです。
彌太郎氏が名栗の山を切り開いていた時代には、木材を採るために杉の木が中心に植えられていたのですが、そのような中でも彌太郎氏は自らが切り開いた山へ紅葉などの落葉樹を植えたそうです。
塩野さんの話によれば、これも観音様を祭ることを目標としていた彌太郎氏が20-30年後の景色のことを考えて行ったことなのだろうということ。
現在の景色は、彌太郎氏が想像していた完成系なのでしょう。ロマンですね。

また、参加者の方々の中には植物がお好きな方がおられ、通常であれば気づかずに通り過ぎてしまいそうな小さな草花や遠くの木々を見つけては立ち止まり、ガイドの小澤さんから名前や詳しい説明を受けていました。
ハクウンボク・フッキソウ・キッコウハゴマ・秩父銅山ツツジ・ツルリンドウ・ウラジロ…木々が葉を落としている秋の季節だからこそ目に付く、木々や小さな草花を見つけることができました。

私は一足先にツアーを後にしましたが、ツアー後半には名栗行政センターにある「名栗くらしの展示室」を見学し、景観重要建造物指定の古民家でジェラートを食べたそうです。
昔の暮らしを学び、昔ながらの美しい建物を楽しむことのできるお勧めのスポットです。

今年の紅葉は例年以上に鮮やかで、太陽に照らされたさまざまな紅葉が緑、黄色、赤と私たちを楽しませてくれました。
山の景色は一度逃せば、それを見られるのはまた一年後。
当然毎年同じ景色ではなく、その年々によって具合いが変わります。
「いつか山を楽しめるようになりたい」と思っている方、地元ガイドと一緒に一歩踏み出してみるのもお勧めです。